脳内に収まりそうもない日常の断片
2009.11.12 Thu
野良犬を鑑賞。
MY黒澤祭4本目にしてようやく現代劇。
といってもこれは昭和初期か?第2次世界大戦後の東京のようです。
三船が至極真面目な刑事役を演じていてちょっと違和感。七人の侍からスタートしたMY黒澤祭、あの粗暴で、それこそぎらぎらした野良犬みたいな黒澤のインパクトがあまりに鮮烈だったため、真面目すぎる刑事役ってのがしっくりこない。。。。なんて思ってみていたのだけど、やはり何かを追う姿や目つきは三船にしか出せない野生を感じさせてくれる。
ところがこの映画のタイトル野良犬は三船のことではない。最後の最後まで姿を現さない強盗殺人犯を指している。しかもこの犯人、台詞は一切ない(たしか)三船演じる刑事が犯人を追い詰められるシーンでも2人とも一切言葉を発しないの。普通なら追いかける時「止まれーっ」(ジャックバウアー)「待て待て待てーい。」(銭形)とか叫ぶでしょ。一切なし。目が合っただけで逃げ出す犯人。言葉もなしに追いかける三船。トーキー映画か?!しかしこの演出が後に大きな効果をもたらすんですね。追い詰められた犯人と三船が睨みあうシーンで、近所の奥さんが奏でるピアノ「ソナチネ」が流れてくる。そして銃声。二人がもつれ合って坂下に転がり落ちた頭上の道を子供らが「ちょうちょ」を歌いながら通り過ぎる。このコントラスト!!2人が一切言葉を交わさないからこそ、こうした音が、音楽がより際立って胸に迫るものなのね。緊迫したシーンにのどかな音を持ってくる手法はコントラプンクトと呼ばれるもので、この映画においてはふんだんに使われているが、映画全般通して音楽が洒落ていてた。「ラ・パロマ」「東京ブギウギ」etc当時流行っていたんだろうなぁ。
最後の最後、一切台詞のなかった犯人が子供のように大声を上げて泣き出すシーンでは人の哀れを感じずにはいられない。犯人の住んでいた小屋みたいな家・・・。三船演ずる刑事にとって初めて捕らえた殺人犯、この二人はともに戦争から復員する過程において汽車の中でリュックを盗まれるという同じ不運を経験しいている。1人は強盗殺人犯に、1人は刑事に。このコントラスト!!社会を憎むか正すか、同じ境遇からのスタートで正反対の道を進んだ2人。1人は唯の野良犬になっちゃったってことね。考えさせられる構成だわ。
最後の最後、一切台詞のなかった犯人が子供のように大声を上げて泣き出すシーンでは人の哀れを感じずにはいられない。犯人の住んでいた小屋みたいな家・・・。三船演ずる刑事にとって初めて捕らえた殺人犯、この二人はともに戦争から復員する過程において汽車の中でリュックを盗まれるという同じ不運を経験しいている。1人は強盗殺人犯に、1人は刑事に。このコントラスト!!社会を憎むか正すか、同じ境遇からのスタートで正反対の道を進んだ2人。1人は唯の野良犬になっちゃったってことね。考えさせられる構成だわ。
気になった映画の中の台詞
「百日紅ってのは縁起が悪いんだ」・・・・実家にあるんですけどホントですか?!
「狂犬ってのはまっすぐ前しか見えないんだ」・・・・そうか、あいつは狂犬なのか。
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rita
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女性
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ナレーター
趣味:
本 映画 グルメ
自己紹介:
ナレーター
フリーアナウンサー・キャスターとしてラジオの経済系番組レギュラーを15年…。
今後「ナレーター」として仕事の幅を広げていきます。
好きな映画 ガタカ 運動靴と赤い金魚
好きな作家 遠藤周作 篠田節子
マルコ→ウチの人 拡張型心筋症という病気です
フリーアナウンサー・キャスターとしてラジオの経済系番組レギュラーを15年…。
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