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脳内に収まりそうもない日常の断片
2020.02.23 Sun
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2009.11.22 Sun
天国と地獄鑑賞
 
前半三船、後半山崎努。軸となる役者が前後半でがらりと17a59d87.jpg変わるのね。全編通して出てるのが仲代達也。刑事だから。(デカって入力しても変換してくれない・・・。「デカ→刑事」「ホシ→犯人」くらいデフォ設定しといてくれればいいのに。とぶつぶつ言いながら辞書登録。一体今後いつ使うんだかわかんないけど)三船が被害者、若い山崎が犯人。
 
やーラスト、あの場面で終わりますか・・・・。
 
そもそものシナリオではもう1カットあったようだけど黒澤監督があのシーンをいたく気に入ったため、山崎努の迫真の芝居でエンディング。若い山崎努演じる神経質で不幸な若者像は畜生にも劣る犯人であるはずだが、ラストシーンは哀れでつい同情の念を抱いてしまう。(だめんず魂がちょっと揺らぐ)
でもああいう青年って救いようがなさそうだな。現在で言うなら○chあたりで有名人の悪口を一日中吐き続けているタイプ。あったこともない有名人に殺害予告とかしちゃうタイプ・・・・。やっぱ私には救えません。
 
推理モノなので派手な殺陣があるわけでもない。
この映画の見せ場ってのは何箇所かに絞られる。このコントラストがまた狙いなのだろう。
なんてったって、前半小一時間はずっと同じ部屋の中だ。登場人物が入れ代わり立ち代りするものの、1時間近くも同じ部屋で喋ってるだけって展開は流石に息苦しい。いや、この息苦しさも狙いなのだ。きっと。
身代金の受け渡しで電車に乗り込むシーンで、初めてその部屋を出るんだけど、その時の電車のプァァーーンって音がやたら大きく印象的。そしてその電車の中での出来事は秒単位で進んでいく緊迫感。誘拐犯に身代金を払うか払わないかだらだら悩んだ1時間と比較すると今度は息が上がるほどの緊張に襲われるという流れだ。そしてこの緊迫の電車のシーンはたった5分。CMかっ?!
 
しかもここまで一切音楽なしなんだよねー。
子供が戻ってきた時に(映画開始から1時間後くらい)初めて音楽が流れる。音楽というより、、、効果音なのかな、アレ。それまで効果音が一切使われていなかったので劇的な効果があるわよね。
 
後半はあらゆるシーンで音楽が印象的に流れてきて楽しい。
犯人が初めてスクリーンに姿を現した時にはシューベルトの「ます」
犯人逮捕の瞬間の音楽はあれは共犯者の部屋のラジオから流れてくるのかな?
シューベルトの「オー・ソレ・ミオ」
逮捕という犯人にとって絶望の瞬間にオーソレミヨ!!この歌詞を見よ。

天国と地獄<普及版> [DVD] 晴れた日は何て素晴らしい、
 まるで祭日のようなさわやかな空
 晴れた日は何て素晴らしい
 だけどもうひと方の太陽
 なお一層輝かしい
 私の太陽
 きみの顔に輝く!
 太陽、私の太陽
 きみの顔に輝く!
 きみの顔に輝く!
 
 黒澤が好んで使ったコントラプンクト手法。
※でも一説には黒澤監督はエルヴィスプレスリーの
「イッツ・ナウ・オア・ネバー」を使いたかったようです。
ところが著作権使用料が高くて使えなかったんだって。
あれ、こんな話酔いどれ天使でもあったわね。でもエルヴィスの曲だったら歌詞は反対の意味だそうですから…そっちが狙いだったのかな?
 
三船の存在感はやはり凄い。ほぼ前半で見せ場はなくなってしまうのに。最初は傲慢な男?という雰囲気もあるが、後半に向かって実に立派な人格者になっていく。浪人やチンピラをやらせたらこの人の右に出るものはいないと思っていたけど、金持ち役もはまり過ぎるくらいにはまる。貫禄があるんだよなぁ。
 
個人的ヒットは焼却炉のオヤジ(笑)ホンモノです。役作りとは思えません(笑)
黒澤映画ってこういう端役の町人や村人や農民らがリアリティありすぎで面白い。ドヤ街でのジャンキー連中や犯人役の不幸な設定もそうだが、社会の底辺とカテゴライズされる人間を炙りだすのが好きらしい。そしてそういう端役の役者がとても素晴らしいのも黒澤映画の醍醐味である。ああいう役者、どこで見つけてくるんだろ。
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2009.11.21 Sat
羅生門 デラックス版 [DVD]
羅生門鑑賞。
 
タイトルは羅生門だが元ネタは芥川龍之介の藪の中。芥川は羅生門って作品も書いているからこんがらがるわね。
 
今でも深層は藪の中・・・・って使うけどここから来てるわけだ。
本当のことを言っているのは誰だ?嘘つきは誰だ?
ひとつの事件をあらゆる登場人物の視点から再生すると、まるで話が違ってくる。このプロットは散々模倣されているので今では斬新さを感じるものではないが、今見てもこの映画の放つ妖気に鑑賞後、狐につままれたような気分に陥る。
 
京マチ子って綺麗だわぁ。。。。
泣き崩れたり、狂気の笑い声を上げたり。女の儚さ愛おしさを演じたそばから腹のどす黒いしたたかさを覗かせる。三船が野蛮なのはもう言う事ないわ。多襄丸ってのは下品で野蛮だけど、三船の表情ひとつで、すっとまともな神経の持ち主に戻ったりする。妻を辱められた武士の絶望、あるいは妻を蔑む目。
 
ストーリーごとに全く違う仮面をつける役者の表情が素晴らしい!表情だけを繰り返し巻き戻して見ちゃうくらい。巫女さん(霊媒師?)の鬼気迫る交霊場面なんか恐ろしいくていいわぁ♡物悲しくて憎しみが果てしなくて・・・。
 
「羅生門」の雨は、大量の墨汁を水に混ぜ、ホースで降らせたというのは有名。また音楽はあれよ、ボレロ。愛と哀しみのボレロにそっくりだわ。当たり前である。だって黒澤は音楽担当の早坂氏にラヴェルのボレロを渡してこれに似たようなのを作ってくれって依頼したっていうんですもの。『羅生門』が海外で上映された際には各国で議論を呼び、フランスのラヴェルの楽譜の出版元からは剽窃ではないかとの抗議されたとか。
 
wikiなどによると当時大映の社長だった永田雅一は試写の途中で席を立ち、「この映画はわけがわからん」と批判していたという。ところがヴェネチアでグランプリをとると、永田は一転して映画を褒めそやし自分の手柄のように語ったという。後年、黒澤はこのことを自伝『蝦蟇の油』の中で、まるで『羅生門』の映画そのものだと書いている。
 
333333.jpg
このヴェネツィア国際映画祭への出品にも裏話がある。出品招請状がヴェネツィアから届いた時、日本は国際映画祭が何なのかさっぱり解らず、何を送ったらいいのやら大騒ぎとなったが「羅生門」は思いつかれもしなかったのだそうだ。
この時、当時の日本のイタリフィルム社長ジュリアーナ・ストラミジョリ女史が、「羅生門」を推薦したが、反対の意見が多かったという。公開当時、日本では羅生門は評判がよくなかった。なんといっても製作会社の「大映」社長がこき下ろしていたくらいだもんね。そして、ヴェネツィア出品に強く反対したのも製作会社の「大映」だっとというのだから情けない。

黒澤後日談
「実は僕、あの写真がベネチアへ送られたことも知らなかったんですよ。あれを向こうへ送ってくれたのは、ほんとにイタリフィルムのストラミジョリさんの功績です。受賞祝賀会の時にも言ったんですが、日本映画を一番軽蔑していたのは日本人だった。その映画を外国へ出してくれたのは外国人だった。これは反省する必要はないか、と思うのだな。
我々、自分にしても自分のものにしても、すべて卑下して考えすぎるところがあるんじゃないかな?「羅生門」も僕はそう立派な作品だとは思ってません。だけど、あれはマグレ当たりだなんて言われると、どうしてそう卑屈な考え方をしなくちゃいけないんだ、って気がするね。どうして、日本人は自分たちのもののことをちっとも考えないのかな?どうして、自分たちの映画を擁護しないのかな?何が心配なのかなって」

懐かしの映画館 近松座
 さらに詳しくあらすじなどが読めます。(音注意)
2009.11.18 Wed
乱 [Blu-ray] 「乱」鑑賞。
いやー怖い怖い。オナゴは怖い。
 殿を誑かす悪い女が出てくる。現代社会においてもちょうど女の婚活詐欺殺人事件が話題となってるけどホント女は怖いですよ。我が身可愛さで何でもやってしまうからね。
 
…って言うのはこの映画の主眼ではないんだけど、それでも黒澤版リア王には この女の存在がかなり大きな意味を持っているものと思う。親子の愛情よりも兄弟愛よりも権力、そして色に溺れる男の愚かさを抉り出すのに大きく貢献しているのだが、また、この女の持つ執念、恨みが因果応報という日本的概念をこの映画に持ち込んでいる。女の復讐も結局はそのカルマの中にあり、ということを身を持って知らしめてくれるのだから凄まじい生涯。このテイストが加わった事でなおこのストーリーに凄みが増した。ステレオタイプの魔性の女だが、世界を意識した作品だったため分かり易さが重要だったのだろう。(今世間を騒がせている現実の女のほうがもっと怖いと思うわよ)おっとりとした口調に無表情がゾッとする。本性が剥き出しになる瞬間なんかたまりません。ああ私、どうしてこういう悪い女に魅かれるのでしょう…。たぶん悪い女にはなれないからだろうなぁ。
 
三船と一緒に出演している映画ではあまり存在感がなかった仲代達也。この映画では仲代の存在感に圧倒される。やっぱ凄い役者なんだなー狂人の脅えを眼力だけで表現しきっているもの。狂人となる直前失意のあまり呆けてへたり込むシーンの表情が凄い。参った。 
それと3人の息子のうち次男が根津甚八。バカ殿ぶりが発揮されててグーでございます。
 
2222.jpgまたこの映画においても音楽の存在感は素晴らしい。wikiによると音楽を担当した武満徹はこの映画で黒澤と激しく対立したあげく「これ以後あなたの作品に関わるつもりはない」とまで言い放ったという。実際武満徹が手がけた最後の黒澤映画なんですって。

長男と次男に攻め入られる合戦のシーンではずっと音楽が使われているのだが、これは仲代演じる秀虎にとっては白昼夢のような受け入れ難い現実であったろうことを思わせる。これが長男が銃に撃ちぬかれて倒れるシーンから音楽ではなく現実の音に切り替わる。観客も一気に現実に引き戻されてしまうという見事な演出。
 
どれだけの時間とお金をかけたのか知らないが、黒沢のことだ、相当つぎ込んだであろうことは想像に難くない。クオリティの高さは類を見ない芸術の域。乱の製作秘話が読み応えアリ。
http://norisugi.com/documentary/hiwa.html#anchorhiwa01
 
どうも当時の日本ではあまり高く評価されなかったようだが、私はこんな凄い映画が撮れる監督は今はもういないのではないかと思う。製作秘話にも「その完成度は黒澤芸術の頂点近くに位置するのではないか。2時間15分の絵画を見る思いがする。いずれ再評価される時が来るだろう。」との記述があるが、まさにワンシーンワンシーンが絵画のごとく緻密に計算されており、どのシーンを切り取ってみても美しい。ストーリー骨格はリア王だが、黒澤がさらに狂気に満ちた美しいストーリーに仕上げた。これを美しいと言っていいのかな(笑)わたしには人間の愚かさ、醜さを鮮やかに描いて見せた「乱」が珠玉の輝きを放って写る。これまでのMY黒澤祭NO1作品認定!!
2009.11.14 Sat
酔いどれ天使<普及版> [DVD]
酔いどれ天使鑑賞。
 
MY黒澤映画祭、鑑賞後にもう一度巻き戻して見返したのはこの映画がはじめて。いやー凄まじいラスト。かっこ悪い最期だけどそれがメチャカッコいいのは三船だから。若いやくざを演じる三船が病魔に蝕まれていく様が壮絶。

はじめは和製ジェームスディーンのような2枚目を演じているけど、やっぱりあのギラギラした野性味は隠し切れないのね。ジャングルブギで三船が踊るシーンなんか、フランケンシュタインかと思った(笑)破れかぶれのヘンテコなダンス。何度見ても面白い~!

死に向かって落ちぶれていく三船の芝居は繰り返し鑑賞したい。死を受け入れず抵抗し足掻いて足掻いて・・・最期は自ら死に急いでくたばっていくんだけど、それでもその様には死に行くものの美学がある。尤も黒澤監督にはそういう意志はなかったものと思われるが(笑)三船が美学に昇華させてしまった。
 
殺しの歌ってのを親分が奏でるシーンがある。劇中ではマンドリンと呼んでいたけどあれ、アコギじゃないの?
あの曲が癖になるわ。メロディーが頭から離れないのよー。本当はクルト・ワイルの『三文オペラ』で主人公のメッキースが歌う『マック・ザ・ナイフ』を弾く予定でだったのが著作権料が法外に高いことで断念し、似通った雰囲気のオリジナル曲急遽作ったという。マック・ザ・ナイフの持つ曲のイメージ(悪党の宣伝の歌)を効果的に使いたかったのだがその目的が果たせなかったとされている。そうかしら?!私個人的にはこのオリジナル曲のほうが断然インパクトがあると思うわ。静かで悲しげで単調だけど、だからこそより何か追い詰めていく感じがして怖いじゃない?あのメロディーがこの映画の雰囲気にピッタリなのよ。
 
野良犬で演じた真面目な刑事役より断然こっちが三船らしい。若く粗暴なやくざだけど仁義、忠誠心に熱く実は純情。どうにかしてやりたくても素直に言う事を聞いてくれないやんちゃ野郎。子供のように病気に脅え子供のように人生に絶望する。「あんたにはやくざなんて似合わないよ」と女に諭されるシーンがあるけど、私があの酒場の女でも同じことを言っただろうな。ああいうやんちゃな男は可愛くって仕方がない。・・・・おっとーこれ、だめんずの証明だわね(笑)
 
タイトルの酔いどれ天使は三船のことではなく、彼を助けようとする医師のことなのね。
5e48f3ca.jpg
酒飲みで短気な人間臭い医師と、三船演じるやくざのぶつかりあいはどうにも歯がゆいのだが美しい。なんとか病気をなおしてやらんと、なんとか裏家業から足を洗ってもらわんと、、、、という、医師にとってはなんの得もない想いひとつで、親分にまで身体を張って守ろうとする姿が渋い。今時には少ない男性像。
 
親分が自分の命を虫けら程度に思っていたことを知って絶望の淵に闇市を徘徊するシーンで街のスピーカーから流れてくるカッコウワルツ。コントラプンクトの手法が実に効果的に生きている。あ、そういえば最初の闇市のシーンでは会津磐梯山が流れてたよね?!故郷の音楽をここで耳にするとは思わなかったので思わずニンマリ。
2009.11.12 Thu
野良犬<普及版> [DVD]

 野良犬を鑑賞。

 MY黒澤祭4本目にしてようやく現代劇。
といってもこれは昭和初期か?第2次世界大戦後の東京のようです。
 
三船が至極真面目な刑事役を演じていてちょっと違和感。七人の侍からスタートしたMY黒澤祭、あの粗暴で、それこそぎらぎらした野良犬みたいな黒澤のインパクトがあまりに鮮烈だったため、真面目すぎる刑事役ってのがしっくりこない。。。。なんて思ってみていたのだけど、やはり何かを追う姿や目つきは三船にしか出せない野生を感じさせてくれる。
 
ところがこの映画のタイトル野良犬は三船のことではない。最後の最後まで姿を現さない強盗殺人犯を指している。しかもこの犯人、台詞は一切ない(たしか)三船演じる刑事が犯人を追い詰められるシーンでも2人とも一切言葉を発しないの。普通なら追いかける時「止まれーっ」(ジャックバウアー)「待て待て待てーい。」(銭形)とか叫ぶでしょ。一切なし。目が合っただけで逃げ出す犯人。言葉もなしに追いかける三船。トーキー映画か?!しかしこの演出が後に大きな効果をもたらすんですね。追い詰められた犯人と三船が睨みあうシーンで、近所の奥さんが奏でるピアノ「ソナチネ」が流れてくる。そして銃声。二人がもつれ合って坂下に転がり落ちた頭上の道を子供らが「ちょうちょ」を歌いながら通り過ぎる。このコントラスト!!2人が一切言葉を交わさないからこそ、こうした音が、音楽がより際立って胸に迫るものなのね。緊迫したシーンにのどかな音を持ってくる手法はコントラプンクトと呼ばれるもので、この映画においてはふんだんに使われているが、映画全般通して音楽が洒落ていてた。「ラ・パロマ」「東京ブギウギ」etc当時流行っていたんだろうなぁ。

最後の最後、一切台詞のなかった犯人が子供のように大声を上げて泣き出すシーンでは人の哀れを感じずにはいられない。犯人の住んでいた小屋みたいな家・・・。三船演ずる刑事にとって初めて捕らえた殺人犯、この二人はともに戦争から復員する過程において汽車の中でリュックを盗まれるという同じ不運を経験しいている。1人は強盗殺人犯に、1人は刑事に。このコントラスト!!社会を憎むか正すか、同じ境遇からのスタートで正反対の道を進んだ2人。1人は唯の野良犬になっちゃったってことね。考えさせられる構成だわ。
 
気になった映画の中の台詞
「百日紅ってのは縁起が悪いんだ」・・・・実家にあるんですけどホントですか?!
「狂犬ってのはまっすぐ前しか見えないんだ」・・・・そうか、あいつは狂犬なのか。
2009.11.11 Wed
椿三十郎<普及版> [DVD]
椿三十郎鑑賞。
 
わーびっくりした。最後の最後で度肝抜かれた。

用心棒の続編であるこの作品はそれほど意外性もなく、MY黒澤祭も3本目ということで黒澤映画慣れしてきたわねーなんて思って観ていたものだからラストシーンでお茶吹きそうになった。(びっくりして)
 
ぶしゅーーーーって。ぶしゅーってまるで噴水です・・・。
 
それまでのシーンではそういう効果音も噴水もあんなに大袈裟に使われていなかったので、あの最後の決闘シーンの衝撃ってのは練られた演出なんだと思うけど、いやーまんまと驚かされちゃった。
 
というわけで、結局大きなインパクトを私の中に残してくれちゃう黒澤映画。
そのラストシーンが訪れるまでは比較的ノンキに鑑賞していたんだけど。
だって三十郎の風見鶏ぶりも健在だけど用心棒を観ていればこの話、三十郎が善人前提で話しが進むだろうことは想像に難くないわけでなんとなく先が読めちゃう。
青臭い若者らのあまりの間抜けさと、助けた奥方と娘のあまりの優雅さがユニークで、おかげで次から次へと危機を招いてしまうのだけど、あまりハラハラドキドキしないのは用心棒での三十郎の頼もしさを知っているからだろう。
 
用心棒ではじらしにじらされて最後のシーンでようやく三船のかっこいい殺陣のシーンが存分に(でもないか)観る事ができたが、本作品では随所に殺陣の見所がある。斬殺音も大きく使われていて(鶏肉を切る音や濡れ雑巾を叩きつける音などを混合して作ったらしい)男子諸君にはたまらない作品と思われる。
ただし、作品のトーンはなんとなく全般ユーモラス。用心棒の殺伐とした荒々しさがない。
個人的好みは用心棒かな。のらりくらり善人とも悪人ともつかぬ三船の雰囲気がいい。
「椿三十郎」はひたすら三船がカッコいいのである。
 
「本当にいい刀は鞘に入っているもんだ・・・おい・・・てめえ達もおとなしく鞘に入ってろよ」
ひゅー最後の台詞決まってるぅー!
 
でも。
最初にこの台詞を奥方が三十郎に向かって言うシーン。
「貴方はなんだかギラギラし過ぎていますね、抜き身みたいに」って、よく聞き取れなくて
「剝き身?!裸ってことか?」と思ってしまった。
名台詞として後世に語り継がれる名シーンで剝き身→三船裸を連想していた。バカ!!

2009.11.09 Mon
用心棒<普及版> [DVD]用心棒鑑賞。
 
こ、こんな展開~!?
またしても想像と違った。でもこれも想像を超えていて素晴らしい裏切り。どこかの偉い人に雇われて、あるいは七人の侍みたいに弱き者に雇われ襲ってくる敵と殺陣の限りを尽くすヒーローものかと思ってた。
↑浅い。浅すぎる。なんて貧困な想像力。
いやーつくづく私は黒澤映画を知らなすぎる。甘く見すぎだよ(笑)
 
でも途中までは「ええ~っ?!何この侍。かっこ悪い」と天下の三船に対して不満を抱きながら見ていたわけですが(だって金のことばかり考えてる風見鶏なんだもの)いやー前半散々のらりくらりやられる分、後半の三船の侍像に参っちゃうってわけなのね。こりゃ参った。この映画、三船が用心棒の域を超えちゃってるとこが凄い。
ハナからそれが目的だったのだろうと思うと恐れ入ります。
そのスケールに三船が負けてないのですよ、最後の決闘シーンはカッコよすぎです。鉄砲男があの仲代達也だと気がついたのは映画が終わってからだった。若いなー。
 
それと女郎がたびたび出てくるのだが、それがちっとも美しくない。
ジョージ秋山の描く田舎臭い娘っ子みたいなのとか、やつれた年増女郎ばかりだ。これは何故なんだろう?!ヤクザの姉さんにこき使われているっていう表現なのかなぁ。黒澤映画って常軌を逸したような登場人物が多くてちょっと目が釘付けになる。
 
人を斬る斬殺音を初めて用いた映画とされているが、音が控えめで聞こえない程度だった.
 
2009.11.07 Sat
七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]
七人の侍を鑑賞。

これまで黒澤作品は先入観から距離を置いていたのだけれど、仕事で今月中に5本鑑賞することに。いい機会だわ。こういうことでもないとなかなか観る時間を作らないものね。
 
まず想像していたのと違った。七人のお侍さんが大暴れする活劇だと思ってた。ひたすら。よく考えればそんなわけないんだけど(笑)
 
モチロン後半には存分にそういうシーンもあるけど、殺陣で闇雲にバッサバッサと人を斬るというより頭脳戦をやるんですね。侍も戦術に長けた人がいるんです。三船の殺陣シーン満載なのかと(勝手に)思っていたので最後はいい意味で期待を裏切られてグッと来たりして。グッと。
 
敵は野武士なんだけど野武士が村人、百姓を襲撃するというような乱暴なシーンはほとんどない。しかし百姓が野武士に対して持つ恨みの深さや、困り果てて泣き出すといった悲哀を延々と見せ付けられると、映像に野武士の傍若無人ぶりを持ってこなくても充分に野武士が憎くなってくるから不思議。この映画の百姓の惨めさといったらない。その鬱憤は三船が代弁してくれるのだが、時代考証も世界的な評価を受けているということと合わせて、百姓等を演じた役者の力量も素晴らしいと思う。あんな顔つき、現代ではなかなか観られない。
 
テレビの時代劇とは違うリアリティは決して三船をヒーローに仕立て上げていないところにあるんじゃないかな。粗野で粗暴で野蛮で、あ、全部同じ意味?えーと山猿みたいな男。野良犬でもいいけど。まあとにかく乱暴なやつなのに名前が菊千代(笑)菊千代様ぁ~!!コンプレックス丸出しで頓狂で愛嬌たっぷりなのよ。画面ら飛び出してくるんじゃないかと思うくらいの勢いがあってすっかり圧倒されちゃって、も~痺れちゃった。こんな役者今いないじゃない?イケメンとかなんとか言ってるけど顔だけじゃ野武士とは戦えないぜ、兄さん。
 
長い映画なので途中休憩が入るんだけど、前半部分に大立回りはほとんどなくて、「お侍さんスカウト編」です。落ちぶれて浪人となろうとも侍には侍の誇りがあったのね。スカウト編はなかなか楽しいです。久蔵ってクールなお侍さんが素敵。結婚するなら久蔵よ。菊千代の頭の悪さも可愛らしい。後半は七人の侍の策によって野武士を追い詰めていくわけだが、、、。ここからは男性が好きな展開かな。私は前半のほうが好き。
 
音の使い方に関して。長老の住む水車小屋の音が怖い。長老の威厳と不気味さを増長させてる。野武士のテーマも怖い。でも癖になるティンパニーのリズム。侍のテーマはシーンによって音色を変えるライトモチーフがふんだんに挿入されている。この時代には新しかったものと思う。 
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プロフィール
HN:
rita
性別:
女性
職業:
ナレーター
趣味:
本 映画 グルメ 
自己紹介:
ナレーター
フリーアナウンサー・キャスターとしてラジオの経済系番組レギュラーを15年…。
今後「ナレーター」として仕事の幅を広げていきます。


好きな映画 ガタカ 運動靴と赤い金魚 

好きな作家 遠藤周作 篠田節子 
 
マルコ→ウチの人 拡張型心筋症という病気です
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