脳内に収まりそうもない日常の断片
2009.11.07 Sat
七人の侍を鑑賞。
これまで黒澤作品は先入観から距離を置いていたのだけれど、仕事で今月中に5本鑑賞することに。いい機会だわ。こういうことでもないとなかなか観る時間を作らないものね。
これまで黒澤作品は先入観から距離を置いていたのだけれど、仕事で今月中に5本鑑賞することに。いい機会だわ。こういうことでもないとなかなか観る時間を作らないものね。
まず想像していたのと違った。七人のお侍さんが大暴れする活劇だと思ってた。ひたすら。よく考えればそんなわけないんだけど(笑)
モチロン後半には存分にそういうシーンもあるけど、殺陣で闇雲にバッサバッサと人を斬るというより頭脳戦をやるんですね。侍も戦術に長けた人がいるんです。三船の殺陣シーン満載なのかと(勝手に)思っていたので最後はいい意味で期待を裏切られてグッと来たりして。グッと。
敵は野武士なんだけど野武士が村人、百姓を襲撃するというような乱暴なシーンはほとんどない。しかし百姓が野武士に対して持つ恨みの深さや、困り果てて泣き出すといった悲哀を延々と見せ付けられると、映像に野武士の傍若無人ぶりを持ってこなくても充分に野武士が憎くなってくるから不思議。この映画の百姓の惨めさといったらない。その鬱憤は三船が代弁してくれるのだが、時代考証も世界的な評価を受けているということと合わせて、百姓等を演じた役者の力量も素晴らしいと思う。あんな顔つき、現代ではなかなか観られない。
テレビの時代劇とは違うリアリティは決して三船をヒーローに仕立て上げていないところにあるんじゃないかな。粗野で粗暴で野蛮で、あ、全部同じ意味?えーと山猿みたいな男。野良犬でもいいけど。まあとにかく乱暴なやつなのに名前が菊千代(笑)菊千代様ぁ~!!コンプレックス丸出しで頓狂で愛嬌たっぷりなのよ。画面ら飛び出してくるんじゃないかと思うくらいの勢いがあってすっかり圧倒されちゃって、も~痺れちゃった。こんな役者今いないじゃない?イケメンとかなんとか言ってるけど顔だけじゃ野武士とは戦えないぜ、兄さん。
長い映画なので途中休憩が入るんだけど、前半部分に大立回りはほとんどなくて、「お侍さんスカウト編」です。落ちぶれて浪人となろうとも侍には侍の誇りがあったのね。スカウト編はなかなか楽しいです。久蔵ってクールなお侍さんが素敵。結婚するなら久蔵よ。菊千代の頭の悪さも可愛らしい。後半は七人の侍の策によって野武士を追い詰めていくわけだが、、、。ここからは男性が好きな展開かな。私は前半のほうが好き。
音の使い方に関して。長老の住む水車小屋の音が怖い。長老の威厳と不気味さを増長させてる。野武士のテーマも怖い。でも癖になるティンパニーのリズム。侍のテーマはシーンによって音色を変えるライトモチーフがふんだんに挿入されている。この時代には新しかったものと思う。
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自己紹介:
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フリーアナウンサー・キャスターとしてラジオの経済系番組レギュラーを15年…。
今後「ナレーター」として仕事の幅を広げていきます。
好きな映画 ガタカ 運動靴と赤い金魚
好きな作家 遠藤周作 篠田節子
マルコ→ウチの人 拡張型心筋症という病気です
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