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脳内に収まりそうもない日常の断片
2024.04.24 Wed
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2009.10.30 Fri
東大和だったかどこだったか東京のはずれのほうに健康○とかいう治療院があって、その昔何度か通ったことがあるが、これは昔事務所に所属していた時の先輩が咳が止まらなくなって病院に行くも原因がつかめず匙を投げられ、喉は商売道具だと言うのに咳が止まらず仕事にならないということで死活問題にまで追い込まれた時に、とあるアニメの主役の声優さんからの紹介で藁をもつかむ気持ちで駆け込んだ、という治療院なんだけど、その先輩はフットバスを進められてフットバスを買って(5万円くらい)マーシー7とかいう2つのツボ押しつき温熱器(7万円)を買って体をとにかく温めるよう指導を受け、それを忠実に守ったところ1週間で完治したということで私も勧められたんだが、いえ、私というかマルコが勧められて通ってみたんだけど、これが相当なトンデモ系で、そこに何度か通ってそのマーシー7とやらを購入して薬を全部やめてマルコが死にそうになってそれはそれは大変な目にあった。

マルコは拡張型心筋症である。2年前にCRT-Dという両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器という、まあペースメーカーなんだけど、それを埋め込んでからはかなり状態は安定して、比較的元気に過ごせている。その前は身体を支えるのも大変らしくてまず午前中は起き上がれない。薬を飲むと血圧が下がってなお起き上がれない。30m歩いてはガードレールにもたれて休まないと歩けない。ご飯は2人で一合であまる。食欲がない。眠れない。排尿できない。呼吸が苦しくなる。薬の副作用から常に吐き気をもよおしていて、顔色はいつも青色で、そりゃまるで病人だった。当たり前だけど。
 
その頃になんとか薬に頼らずに生きることはできないものか、機械を身体に埋め込む程に悪化する前に、病気を改善できないかっていろいろな民間療法を試してみたりしていた。だから先輩があまりに進めるものだからひょっとしたら難病もなおっちゃうかもなんて期待したのが間違いだったのよね。拡張型心筋症って不治の病で難病指定になっている。治療院の指導で治るわけがない。
 
ところがそこの指導が
1・全ての薬を飲むのをやめなさい(1日10種類以上もの薬を朝昼晩飲んでいる)
2・水を3ℓ飲みなさい
3・身体を温めなさい
4・生ものは一切食べてはいけない
5・マッサージしてコリをほぐしなさい(マーシー7で)

 ってもので、生モノというのは身体を冷やし、癌を促進する食べ物だから野菜も必ず温野菜にしろとか果物を食べる時は必ず電子レンジで少し温めろとかそれはもう、めちゃめちゃな理論だったが、当時は西洋医療から匙を投げられた先輩の咳がこの教えで1週間で治ったという奇跡のような話が目の前にあったので、忠実にこれを守ってしまった。2日経ち3日経ち、薬を絶ったマルコの身体には水が溜まり、呼吸が出来なくなるほどの危篤状態に陥った。しかも水を3ℓ飲めなんてそれはもう危険極まりない行為なんだけど(ホントは1ℓちょっとに抑えなくてはいけないのに)西洋医学では不治の病とされいるこの病気も、西洋医学の教えとまるで逆のことを徹底すれば治るのかな?なんてあまりに真逆の指導だったためにかえって信憑性のある方法なのかもしれないなんて思ってしまったのだ。
 
みるみる病状が悪化していくマルコの身体をなんとかしなくちゃとマッサージをしたり温めたりと手を尽くしたが、病人は病状が悪化すればするほど人からの関与を嫌がるもので、まだ結婚前だというのにとても険悪な日々を過ごすことになった(笑)またこの時にさらに拡張した心臓が病状を一段を進行させてしまったのではないかという後悔もしている。命がけで民間療法にすがってしまったわけだが、医療から匙を投げられた病人は何かに助けを求めないと不安と恐怖に脅かされ続ける日々なのだ。東洋医学、民間療法ならまだマシ、宗教やオカルトに走る例も少なくない。
 
この治療院はおそらくどんな患者が来ても同じ指導をしている。がん患者に対しても薬をやめろ、高血圧患者に対しても薬をやめろと言っているようだった。勿論私たちも薬の副作用の危険も充分承知しているが、マルコのような病気の場合、薬を絶つということは命を絶たれるに等しいことである。血圧や癌など食事療法などで進行を止められる可能性があるものではないのだ。また病気に関する知識も理解もなかった。咳が止まらなかったというのはおそらく身体の芯から冷えが溜まって免疫が著しく低下していただけのことであり、西洋医学の対処療法では根治療が出来なかったものと思われる。健康○にとっては冷えをとれば治る病気とそうでない病気もなにもかも同じなのである。
 
また生ものを一切摂取するなという指導もスゴイ。酵素の存在はどうなる?(笑)私の教えを破って寿司を食べたがん患者が寿司を食べたその日に死んだというエピソードを披露されたりしたが、よくよく考えれば寿司で死ぬなら日本人が世界一長寿なわけがない。世界一早死だ。思えばマーシー7とかいう温熱機器も高すぎるし、フットバスも購入を勧められたが見送って正解だった。水もどこかの浄水メーカーの水がいいといって自宅でその水をボトルにつめて売っていた。我が家も何度か30ℓ単位で購入したが効果はよくわからなかった。冷静に考えればそりゃそうだ(笑)ちなみにその浄水器を自宅に設置することも勧めていて、家全体の全ての水道管の水をキレイにするのには200万くらいかかる。遠隔治療も出来ると言っていて私の先輩はたまにそれを受けていたようだが、暗示にかかっていたのか、効くといっていた。浄水器を家に取り付けるとも言っていた。信者のようだったなぁ。私が事務所を辞めてから先輩とは話す機会もなくなってしまったが、今でも生ものは一切口にしていないのだろうか、今でも遠隔治療を受けているのだろうか。ちょっと心配だったりする。先輩は本当にいい人でマルコの病気を治そうと尽力してくれていた。とっても優しいいい人なだけに危険。そういう人ほど妄信しやすい。その気持ちに対するお礼もそうだが、その療法への疑問も正直に話しておくべきだったと思っている。

ちなみにマルコは今、キチンと薬を飲み、身体を温め、水分は適量までに控え、生ものを積極的に摂取して、とても健やかである。身体を温めるという教えに関してだけは意識的に徹底するようになり、これだけでも収穫だったとその部分においては感謝しているが、家にまだ転がっているマーシー7を見る度にトンデモ健康指導を思い返して苦笑いが出る。これが7万円かよ・・・・。だいたいマーシー7ってネーミングが悲しい。何処探しても売ってませんが一体誰が作っているの?


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プロフィール
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rita
性別:
女性
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ナレーター
趣味:
本 映画 グルメ 
自己紹介:
ナレーター
フリーアナウンサー・キャスターとしてラジオの経済系番組レギュラーを15年…。
今後「ナレーター」として仕事の幅を広げていきます。


好きな映画 ガタカ 運動靴と赤い金魚 

好きな作家 遠藤周作 篠田節子 
 
マルコ→ウチの人 拡張型心筋症という病気です
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